拾壱

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そんな空気のまま、夕飯を終えて全員は各自室へ戻る。 「ふぁ~」 「桜ちゃん、眠そうだね」 「ん~。何か最近は色々と考える事とかあるしね。慣れない事すると疲れる」 投げやりな言葉だが、山南を心から考えているのが伝わる。 さらに羅刹の動きが活発な事も彼女を悩ませている。 「とりあえず今日は、夜の巡察じゃないんだからゆっくり寝た方がいいよ」 「ありがと千鶴。そうする」 疲れた顔で笑って、布団に入る桜を心配そうに千鶴は見ていた。 『私なんかより、ずっと一緒にいた桜ちゃん達の方が心配だよね……』 今の新選組の人達の苦悩を考える千鶴だったが、自分に出来る事は無いと思い、千鶴も布団に入る事にした。
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