拾壱

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二人が眠りについてしばらくした頃― 『ん?』 千鶴はわずかだが、誰かの足音のような音を感じた。 『こんな夜更けに?』 勘違いだろうと思ったが気になり、少し襖を開けて外を見てみる。 すると、ある人影が見えた。 『山南さん!?』 久しぶりに見る、山南の後ろ姿が広間の方へ向かうのが見えた。 『こんな時間に何を?』 気になり、後を追いかけたい気持ちと、夕飯の時の沖田の言葉とで千鶴は葛藤する。 しかし、やはり山南が心配だったため追いかける事にした。 桜を起こさないように静かに部屋を出る。 彼女にしては珍しく、熟睡していたため千鶴が出ていく気配には気付かなかった。 部屋を出た千鶴は、山南の向かったであろう広間へと向かった。
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