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二人が眠りについてしばらくした頃―
『ん?』
千鶴はわずかだが、誰かの足音のような音を感じた。
『こんな夜更けに?』
勘違いだろうと思ったが気になり、少し襖を開けて外を見てみる。
すると、ある人影が見えた。
『山南さん!?』
久しぶりに見る、山南の後ろ姿が広間の方へ向かうのが見えた。
『こんな時間に何を?』
気になり、後を追いかけたい気持ちと、夕飯の時の沖田の言葉とで千鶴は葛藤する。
しかし、やはり山南が心配だったため追いかける事にした。
桜を起こさないように静かに部屋を出る。
彼女にしては珍しく、熟睡していたため千鶴が出ていく気配には気付かなかった。
部屋を出た千鶴は、山南の向かったであろう広間へと向かった。
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