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「でもね大翔。霞崎東には、小学校時代のみんなはほとんどいないの。みんなもっと遠くの高校に進学して……わたしは、地元の方が良かったからこっちにしたけど」
「あ……そうだったんだ。でも知り合いがいても逆に恥ずかしいから、むしろ良かったかも」
莉乃がいる時点で関係ないかもしれないけど……と、僕は心の中で苦笑いを漏らす。
と、そこで莉乃が不意に言葉を投げた。
「そうだ大翔。これから大翔の家、行ってもいい?」
「えっ……?」
そういえば、昔はよくお互いの家で遊んでたっけ。お隣さんだし、親同士の仲も良かったし。
莉乃のお母さんに挨拶しなきゃなと思いつつも、僕は莉乃がうちへ来ることの是非について頭の中で議論していた。
昔はまだ小さかった。男と女が一緒にいても特に問題はない年齢だった。
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