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最悪なことにあのままの状況は続いていた。
顔が一気にクシャっとなる。
それを合図にするかのように、涙が溢れだした。
目尻を伝って流れた涙が耳の中に入る。
耳の中がグショグショと気持ちが悪い。
それがまた空しさを増長させて、涙をさらに溢れさせた。
苦しい…悔しい。
むしろこのまま気が狂ってしまえばいいと願ってしまう。
きっと気が狂った方が余程楽だ。
いや、逆だ。
私は情けなくて弱いから、気が狂った状況に耐えられないと脳が判断して正常な精神を保たせようとしている気がする。
気が狂った方が楽なのは、強い、立派な人。
そんなどうでもいいことをダラダラと頭の中で考え続ける私は、やっぱりバカなのだろう。
バカだから、亜美も智美も誰一人として助けることも出来ずに、幸四郎みたいな男に遊ばれて。
「気が狂う、気が狂う、気が狂う」
何度か口に出して呪文のように唱えてみたけれど、私は何にも変わらなかった。
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