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「別れよう…私達」
その言葉は突然だった。
いつも通りのお昼休み、いつもの屋上で、いつもと同じパンと紙パックのジュース。
何もかもが、いつもと同じ。
だから、これからも今まで通り、ずっと一緒だと思っていたのに。
「どうして?いきなりそんな…」
「私ね、他に好きな人が出来たの、だからもう美織とは付き合えない」
由紀は残酷過ぎる位に、私の目を真っ直ぐに見てハッキリとそう言った。
「どうしてよ…昨日だってメールいっぱいしたし、ずっと一緒だって前に言ってたじゃん!」
「ごめん…」
「なんで?なんでよぉー!!」
「おい平野、起きろー?」
その声と共に誰かに肩を揺すられた。
んっ?
あれっ…ここは教室?
「授業中に居眠りをした上に寝言まで言うとはいい度胸だなぁ?」
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