憎い相手

2/32
277人が本棚に入れています
本棚に追加
/342ページ
「別れよう…私達」 その言葉は突然だった。 いつも通りのお昼休み、いつもの屋上で、いつもと同じパンと紙パックのジュース。 何もかもが、いつもと同じ。 だから、これからも今まで通り、ずっと一緒だと思っていたのに。 「どうして?いきなりそんな…」 「私ね、他に好きな人が出来たの、だからもう美織とは付き合えない」 由紀は残酷過ぎる位に、私の目を真っ直ぐに見てハッキリとそう言った。 「どうしてよ…昨日だってメールいっぱいしたし、ずっと一緒だって前に言ってたじゃん!」 「ごめん…」 「なんで?なんでよぉー!!」 「おい平野、起きろー?」 その声と共に誰かに肩を揺すられた。 んっ? あれっ…ここは教室? 「授業中に居眠りをした上に寝言まで言うとはいい度胸だなぁ?」
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!