恋の障害

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夏に皆で行った海で私達は結婚式をあげていた。 『亜美、生きてたんだねっ』 そう言った私に彼女は無言のままニコニコと笑っていた。 由紀、智美、恵美に亜美、それにうちの両親も。 皆が笑って祝福してくれている。 ライスシャワーって投げられた方はこんな感じなんだなぁ。 パラパラと身体に当たっては、流れていく幸せの白い小さな粒。 あんなに暗い気持ちになるなんて、私は色んなことを難しく考え過ぎていたんだな。 もっと単純に考えれば、幸せはこんなにも容易く手に入るものだったのに。 バカだなぁ、私って。 でもいいや、今は幸せなんだから。 きっと、あのままの状況が続いていたら私はもう耐えられなかっただろう。 病んで、自暴自棄になって気が狂っていたかもしれない。 あぁ、良かった。 本当に本当に良かったぁ。 「良かったぁ…」 噛みしめるように言いながら、顔をほころばせる自分に気付いて目を覚ました。
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