恋の障害

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というか怖くなって途中で言うのを止めてしまった。 意気地なし。 朝の静寂の一時が無性に怖く感じる。 この世で自分ただ一人になってしまったような孤独感を感じてしまう。 ふと時計を見ると時刻は午前五時だ。 シャワーを浴びて、気持ちを切り替えるための化粧をして、朝の身支度をゆっくりとするには丁度いい時間だろう。 学校では化粧は禁止されているし、先生や親も「十代なんて化粧しなくても十分綺麗なんだから」などと言ってくる。 全くもって分かっていないと思う。 化粧は心の切り替えであり、仮面なんだ。 だから、こんな時にこそ化粧は必要。 智美は壊れそうな心を分厚い化粧という仮面で覆っていたのだと、今になってハッキリと思う。 毎朝、毎朝、心を痛ませながら必死に傷を隠そうとしていたのか…。 傷は隠したところで無くなるわけじゃない。 どうして、どうして智美から逃げてしまったんだろう。 彼女はあんなにあんなに苦しんでいたのに。 私の止まらない後悔は、またしても涙という形で頬を伝う。
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