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「へぇ、ゴリラもたまには人間らしいことすんじゃねぇか。」
銀髪がもそもそと動く。袋を覗きこみながら、何があっかなぁと呟きながらアイスを模索している姿を見て、土方は目を細めた。
クーラーが壊れてるらしいが、風通しが良いのか外より随分涼しい。
ソファーに腰かけ、力を抜くと眠気が襲ってくるほどだ。
「ほら。」
「あ?」
差し出されたのは、黄色いアイスキャンディだ。
銀髪の男…坂田銀時は水色のアイスキャンディを手にしている。
「汗ひでぇしよ、借り作んのも嫌だし。うら。」
更に突き出されるそれを、土方は渋々受け取った。
黄色いアイスはレモン味だったらしい。ほどよい酸っぱさと甘さの組み合わせは、暑い今にはピッタリだ。
それにしても…何が嬉しくて野郎2人でアイスを…
土方は文句を頭の中で言いながらも素早く食べ終えた。
銀時はというと、四肢を投げ出してゆっくりゆっくりアイスを口に出し入れしている。
「…おい食い方。」
「んあー?」
「きしょいぞ。」
「ん?なに、変なもん想像しちゃった?」
真っ直ぐに見据えられ、思わず言葉を飲む。
濡れた唇をペロリと舐めるその舌さえも何故か気になる。
小さく尖ったアイスを見ていると、銀時はおもむろに立ち上がった。
「薄暗い部屋、アイスを舐める口元、そして俺の美貌。」
「最後おい。」
どさっと土方の隣に腰かける。
ニヤリと唇を歪めた。
「興奮、した?」
-ドクッ
一瞬、身体中が熱くなった。
気づけば土方の左手は、アイスを持っている銀時の右手を掴んでいた。
ポタリと何かが滴り落ちる。
目の前の死んだ魚のように濁った瞳を見る限り、この男は微塵も驚いてないようだ。
土方は無意識に左手に力を入れた。
その瞬間に微笑んだ男を見つめながら。
(あぁ、夏の暑さにやられた2人。)
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