水上 咲

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僕がこの世に生まれた時、両親はとても喜んだ。 僕は、ぱっと花が咲いたような笑顔で笑った。 だから、僕はサクと名付けられた。 水上 咲。 これが僕の名前だ。 女の子みたいな名前だろう? だけど僕はれっきとした男だ。 小さな頃はよくからかわれたりして嫌だったけれど、高校生にもなった今じゃ結構気に入っていたりする。 なれなれしく、うざい女どもは、サクちゃん♪なんて気安く呼んでくるが、 チャンづけされたって僕は、断固として嬉しくなんかない。 気分が悪くなるだけだ。 そこら辺の女に不自由した野良犬どもと同じにしないでくれ。 ハッキリ言って僕は女が嫌いなんだ。
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