氷の街

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 死せる氷の街と化した、ガラントの街。僅かに生き延びた人々はガラントの終わりを嘆いた。神に護られ、神に縛られ、そして神に殺されてきた民は、最早神に縋る以外になかった。  そんな民を見て男は選択肢が1つしかないと、そう感じていた。 「今、アルマス家はただ1人。 この私、セント=アルマスのみだ」  男──セント=アルマスは、氷漬けになった叔父の前でそう言った。セントは部屋の中でただ2つ、氷漬けにならなかったモノを拾い上げる。 「神よ、ガラントの民の為に……私に力を」  セントは左手に杖を持ち、砕かれた杯を右手に握りしめる。握られた杯は音を立てて砕けるが、セントは気にせず右腕を天に向かって突き上げた。  セントは右手を口元へ運び、そして──
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