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~2~
「お待たせいたしました」
という明るい声と共に建物の奥から出てきたのは、短い茶髪で背の低い少女……いや、青年か?
端正で中性的な丸顔は、男とも女ともとれるし、声だって男性と女性の中間。
胸は無いようだが、彼女(もしくは彼)はだいたい中学生~高校生くらいに見える。
その時期なら別に少なくてもおかしくはないだろう。
「彼方ぁー、応接室1にお通ししてー」
「はぁーい」
建物の奥から聞こえてきた声に目の前の彼女(もしくは彼)が反応する。
名前まで男性か女性か分からないとは……
「こちらへどうぞ」
と、言いながらスリッパを丁寧に床に置く彼女のあとについて(もう面倒だから彼女と呼ぶが)、私は建物の奥へと向かった。
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