エピソード1、春の大捜索

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~2~ 「お待たせいたしました」 という明るい声と共に建物の奥から出てきたのは、短い茶髪で背の低い少女……いや、青年か? 端正で中性的な丸顔は、男とも女ともとれるし、声だって男性と女性の中間。 胸は無いようだが、彼女(もしくは彼)はだいたい中学生~高校生くらいに見える。 その時期なら別に少なくてもおかしくはないだろう。 「彼方ぁー、応接室1にお通ししてー」 「はぁーい」 建物の奥から聞こえてきた声に目の前の彼女(もしくは彼)が反応する。 名前まで男性か女性か分からないとは…… 「こちらへどうぞ」 と、言いながらスリッパを丁寧に床に置く彼女のあとについて(もう面倒だから彼女と呼ぶが)、私は建物の奥へと向かった。
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