第一章:別れと気付き

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色々な思い出とともに、悲しさ、悔しさ、寂しさ、犯人に対する恨み等、色々な感情が込み上げてきて、心臓はバクバク、足は震え、なにより涙が止まらなかった。 どのくらい泣いていたのだろうか。 皿の上のベーコンは見るからに固くなっており、先ほど箸で黄身を割った卵は、黄身が広がり、カピカピになっていた。 すでに仕事に出掛けた母に心の中で謝りながらも、食欲は全くなくなってしまったので、朝食は残してしまった。 今日は火曜日。 もちろん学校はあるのだが、 行く気になれない。 そうだ……優菜の兄の和也さん。 重傷ということだが、生きているだけ不幸中の幸いだ。 和也さんは家族を亡くし、自らも重傷を負い大変だろうが、連絡を取りたい。 無神経かもしれないな……と考えつつも携帯を取りに自室へ戻った。
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