第一章:別れと気付き

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差出人:別所和也 ……和也さんだ。 届いていたのは朝の5時43分と、俺からすると、というか和也さんからしてもだと思うが、かなり早い。 まだその時間は寝ていたし、アラームを止めて、スヌーズを解除したまま携帯を見ていなかったから気づかなかった。 宛先のところには知らないアドレスが並んでいるので、このメールは俺だけではなく複数に一括送信したものだということがわかる。 内容を読む。 「朝早くからすまん!多分朝のニュースで流れると思うから先に連絡します。 実は夜中、自宅に強盗が侵入しました。 俺は腹を刺されました。 が、筋肉のおかげで、あまり深くはなく、命に別条はありません。 さっき病院で傷の縫合手術が終わりました。 今は○△病院に入院していますが、警察の事情聴取や、多分朝にはマスコミなんかもくると思うからお見舞いは遠慮しておきます! 俺以外の家族は強盗に殺されました。 葬式や通夜についてですが、こんな死に方なんで司法解剖をしてからになるそうです。多分3.4日後にはできるのかな? 俺の体がこんなんなんで、喪主は叔父に頼んでるので、叔父と連絡とりつつ決まったらまた連絡します。 いきなりこんな報告ですいません。 それでは」
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