4.シンガポール

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兵舎は英軍印度兵部隊に使用されていた建物で、高床でアタップ葺きのバラック建てで床には草で編んだアンペラを敷き、周囲にも吊り下げていた。 その建物の一つへ私達庶務班が入った。 炊事場や病室も同じくした建物であった。経理班は別の建物に入った。 将校と部隊長の建物もそれぞれ別になっていて、当番兵が世話をした。 皆は兵舎でくつろいで早速褌一つになった。 三時頃になって一時間ほどスコールが来た。 南方には半年間は毎日スコールがあり、ちょうど日本の夕立と同じである。 五月から十一月まで雨期が続いて、今は乾期の終わりである。
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