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翌朝早速一人で営兵を出て、野道をかなり歩いてやっと病院らしい鉄筋五階建ての立派な建物を見つけ、中に入った。
目の前に発着室があった。
中には懐かしい顔が伍長の記章を付けていた。
彼は奥野といって奈病(奈良陸軍病院)の時には病院長の送り迎えをする運転手をしていて、その故か下士適(下士官適任)を貰ったのだろう。
私も庶務主任井上衛生少尉から、皆と一緒に帰らず待てば土産をやると言われたが、皆と一緒に帰りたかったので断った。
彼の除隊は遅れていた。
「おお、お前も来たか。おれは一年前に来た」
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