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島には清重、渡瀬、三木、桝田、中島の教兵団(独立混成旅団)という歩兵部隊がいて、海軍も同程度の兵力が駐屯し、飛行場もあり、僅かだが飛行機もあった。
病室には負傷兵の他、風土病に冒された患者が多くいた。
アメーバ赤痢で日に数回下痢している上にマラリアで四十度に近い熱に苦しめられ死んでいく患者が毎日あって、応召前は地方で僧侶をしていた衛生兵の読経によって荼毘に伏した。
時々敵機の来襲を受け、その度に対抗した高射砲の兵隊がどっと入院した。
毎日「チャーチルの定期便」と呼ばれる敵の偵察機が飛んできた。
上陸当時は数機あった飛行機がいつしか飛行場に姿を消していた。
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