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「ぼ、暴力的な女だな・・・」
「悪いのはあなた。自覚して?」
「ううう、いってぇ・・・」
「何の騒ぎです!?・・グリフォン、あなたって人は可憐な少女の部屋で何しているんですか!?」
大慌てでラパンが部屋に飛び込んできた。
ラパンはアーテルの肩をつかみ、彼女に異常がないかを確かめている。
「ああよかった。この獣に噛みつかれたのかと心配しましたよアーテル」
「ええ。大丈夫。だから、これ(クリーメ)を持って部屋から出てちょうだい」
「ええ!?何でですか!?」
「着替えるからよ」
「えっと、それじゃあこれ(クリーメ)は追い出すので、僕に着替えを手伝わせてください!」
「だが断る」
「えええ!?何でですか!?」
「そうだぜ?俺はいつもヴェレッドの着替えを手伝って・・・」
「だから私は女王様とは違うの!!いいからさっさと出る!!」
アーテルは二人を部屋から追い出し、部屋に鍵をかけてしまった。
クリーメは渋々帰って行ったが、ラパンはドアの前に立っている。
『アーテル!今日はおでかけなさいますかー?』
「・・・そうね。でかけるわ」
『南に下った先にある屋敷には気を付けてくださいね!男色家が住んでますから!』
(この世界にはおかまも住んでいるのか)
『彼は自分は男色家ではなく、人間が好きなだけだ!と言い張っています。女にも手を出すことが稀にありますから、気をつけてくださいね!・・あ!僕が一緒に!』
「一人で出かけるから、真面目に仕事なさい」
『・・はい』
アーテルはとぼとぼと仕事に向かうラパンを見送ったあと、城から出て行った。
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