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「ん、うぅ」
少女が目を開けると、冷たい何かが頬にあたっている感触がした。
体を起こすと、そこは見たこともない場所。
「ここは・・・?」
「起きてくれました?」
「・・・」
「あ、自己紹介が遅れましたね。僕はラパン。ラパン・ホワイトです。この国の、ぐはっ!?」
バシッ!!!
少女は男のひざ裏に蹴りを叩き込んでいた。
男は痛みにうずくまっている。
「っ~~~!!」
「何をするのよ!私、私・・・!!」
「ぼ、僕はあなたを幸せにしたくて・・」
「私は十分幸せよ!それより、ここはどこ!?私は今から湖畔公園に・・・」
「この世界に、コハンコウエンはありませんよ。アーテル=マリエ」
「・・どうして私の名前を?」
「僕はあなたのことなら何でも知っていますよ。名前ぐらいなら、ここの『役持ち』全員が知っていますよ」
「・・・やくもち?」
「ええ。役持ちです。・・・おや?」
コツコツと足音がした。二人が振り返ると、そこには黒衣をまとい、身に時計の装飾をつけた男が立っていた。
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