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三人と別れたアーテルは教えられた道を進んで行った。
すると、目の前に大きな城が見えてきた。
「この、お城・・・?こんなところに本当にあのコスプレ男がいるのかしら・・?」
アーテルはずかずかとその道を進みだした。
広大な敷地が、まるで城を遠のかせているように感じる。
「・・!アーテル!!来てくれたんですね!!ここに滞ざ、ぐはっ!!!」
いきなり飛んできたラパンの膝裏に、相変わらずアーテルの膝が叩き込まれる。
アーテルは二度、三度とそれを行った。あまりにも蹴りをくらったラパンは、その場に崩れ足をさすっている。
「い、痛いです・・・ひどいです・・こんないたいけなうさぎに、なんて仕打ち・・」
「なんて仕打ち、を言いたいのは私の方だわ・・・。あんたが飲ませた変なもののせいで、帰るための鍵の場所を私が忘れたって、パンデュルが教えてくれたわ」
「・・うう。そんなことまで言ったんですかあの時計屋・・・」
「親切な人だったわ。あんたみたいなコスプレ男と違ってね」
「コスプレって・・・僕はコスプレなんかしてませんよ?正真正銘、かよわいうさぎさんです」
「何が正真正銘よ・・・」
「・・もしかして、落ち込んでます?」
「当たり前でしょ!?これが落ち込まずにいられるか!!」
バシィッ!!!!
「いった!!痛い!痛いです!!」
「・・私、これからどうしよう」
「・・ですから、ここに滞在してください。その間に、鍵を探せばいいんですよ」
「・・・あんたが言えた義理か」
「あれ?こんなところで何をしているんだラパン」
「・・・げ」
「・・・?」
どこからともなく聞こえた声に二人が振り向くと、そこには腰に剣を携えた赤いコートを着た男が立っていた。
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