きおくノート

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 その時、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。5時限目は現代戦争史もとい、生活指導の古紙脇先生。  まずい! 古紙脇先生は見つかったら最後、レンジャー仕込みの反省が夕方まで待ってる。  間に合うか?  教室の扉に手を掛ける。 「橘、遠藤、何やってる! 成績優秀だからって俺は許さんぞ!」  遅かった! 気づかれた。   はち切れそうな白シャツに迷彩のパンツ、黒く日焼けした手がグイッとこっちに伸びる。 「和美ちゃん! 真帆ちゃんを連れて早く! ここは僕が何とかする!」 「でも......」  想一が立ち止まる。先生に対峙し、扉を蹴り開け先生を牽制。 「『行け! 行かんか!』だよ、和美ちゃん。さぁ行って!」  ごめん! 行くね。  私は真帆を連れ走り出した。 「いい度胸だ! 本当に俺を止められると思ってるのか眞柴?」 「僕らのチームが1秒でも遠くに行けるなら、僕が守る1秒には意味があるんです!」 「ふんっ、兵士としての気質は認めよう。しかし、規律を守れん奴はどうなってるか分かってるな! 分隊まとめて反省だ!!」  遠くになる二人の会話と二つの雄叫びが私達の後ろで聞こえた。
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