106人が本棚に入れています
本棚に追加
/421ページ
「まったく……」
そんな少年を見て少女はそう呟いて、何処からともなく剣を取り出した。
「げっ!」
殺気に気付いた少年は慌てて体を起こしまた何も変わらない夜空を見始めた。
「・・・・君は毎晩ここに来ているみたいだけど何をしているの?」
少年の隣に座り暫く同じ様に夜空を眺めていた少女が訪ねてきた。
「……待ってるんだ……ある人を」
その問いに答えるか、答えないか少し迷っが俺は少女の質問に答えることにした。
――二年前のある晩
俺はある屋根の上で明日は何をしようかとボンヤリとそんなことを考えながら、夜空に向かって歌を口ずさんでいた。
その時何か気配のようなものを背中に感じた。
最初のコメントを投稿しよう!