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緩やかに波打つ翠の髪、大きく鮮やかな翠の瞳。
身に纏っているものは、袖や丈が長く何処か儀式的なものを想わせる衣装だった。
しかし、肩や胸の辺りには大きな切れ込みが入っていて、惜し気もなくその白く滑らかな肌を寒気に晒している。
だが彼女は苦笑いを浮かべて首を振った、名乗る意味がないと言うことだったのか、女性は再び笑みを優しいものに戻して囁くように言ってきた。
「歌が聞こえたのでな、ちょっと来てみた」
「え……」
俺は言葉を失った。
この女性は俺の事をどう思ったのだろうか。
「恥じることは無い。お前の歌……良かったぞ。」
「……」
最初はその女性の言葉の意味がわからなかった。
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