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数多の絶望と拒絶と後悔を味わった俺には嬉しい話だった
自分の罪や呪いが解かれると思うと藁にもすがる気分だった
しかし、神は話を続けた
『このチャンスはお主の最後の望み。向こうの世界に行って百回の死が訪れた時お主の存在は消滅してしまう。つまりお主の事を知っている者達すべてがお主の事を記憶そのものから消える』
その話を聞いて俺はさらに恐怖を覚えた
《記憶そのものから俺の存在が消える》
それは自分が禁忌を犯してまで守った【あの人】の《魂の記憶》からも消えるという事
※魂の記憶とは、魂が刻んだこれまでの記憶の事
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