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炭酸系の飲み物は、昔から嫌いだ。
シュワシュワと口の中で泡立つあの感触で、舌がひりひりする。
だから、苦手…。
「けほっ…」
好きな人に告白して、振られて、苦手な炭酸飲料をヤケになって一気飲み…だったはずが、口に含んだ瞬間に蒸せて咳き込んだ。
炭酸のツーンとした刺激と、舌のひりひりする感触にジワリと涙が滲み、目の前が少し霞む。
……もう、最悪。私、ちょー惨めじゃん。
ゴシゴシと涙を拭い、再び缶の飲み口に唇をつけようとしたとき、すっ、と缶を誰かに奪われた。
誰よ?と、相手を睨みつけるように見上げると、そこには…
「サイダーじゃん。俺にも一口くれよ」
色白のすらっとした手で缶を持つ、クラスメートの小菅(こすげ)くんがいた。
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