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ガチャンと夏海は戸締まりをした
「戸締まりよし!」
夏海は鍵を閉めるさいにずれた肩掛けポーチを肩にかけ直すと、螺旋階段へ向かった
カンカンと音が鳴る階段
それを降りて行くと誰かが上がって来た
「お!不知火さん?
今から出勤でっか?」
階段を上がって来たのはなかなかガタイのいい関西弁を喋るおじさんだった
「は!はい!えっと…」
「ああ…わしは二階の西郷 龍(さいごう たつ)ゆうねん」
「西郷さん……」
かなり胡散臭そうね
「あの部屋に越してくるやなんてなかなか度胸あんな~!」
「え?」
度胸?なにそれ?
「あっと、わしももうすぐ出勤の時間やからほな!」
西郷はそう言うと階段を上がっていった
「何だかひっかかる言い方ね………」
夏海は何だかモヤモヤした気持ちのまま会社へ向かった
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