チャレンジカップ

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何故か言葉を発しなくなった峯川に悠は気になったことを訊く 「なぜ、長谷川という人にそこまでこだわるんですか?」 峯川はそのような事を訊かれるとは思っていなかったのか一瞬驚いた表情をしたが小さい声でそして早口で言った 「俺の目標だから…」 その声は小さかったが悠にはしっかり聞こえた (目標…?俺達同い年だよな?) 「目標…ですか?」 悠の問いかけに峯川はコクリと頷いた 「昔、テキトーに水泳してた時にあいつの平泳ぎを見てあんな風に綺麗に速く泳ぎたいと思ったのがきっかけ。で、あいつを目標にしてそれから頑張ってきたんだけど、あいつ…長谷川は高校で水泳部に入らず水泳を辞めた。目標にしてたのに、一回も勝てないまま辞められて無理やり交換した連絡先に連絡しても返事ないし少し躍起になってた」 悠は自分の知らないうちに峯川にこんな変化があったとはつゆ知らず、何だか聞いてはいけないことを訊いてしまった気持ちになった 「すいません。このような事を訊いてしまって」 「いや、構わない。理由も分からないのにあんな風に訊かれたら気になるのも仕方がないし」 そうしていると大輔がもうすぐ収録が始まるといことで悠を呼びに来た
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