…過去話等_

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▼大切な嘘_ 「親父……親父!」 どうしてこうなったんだ? 「お袋…どこだよお袋…!」 どうして目の前は真っ暗で どうして何も聞こえなくて どうしてこんなに血の匂いがするんだ? 「式部」 ふと聞こえた声。 聞き覚えがあるが、父や母の声ではない。 これはあの悪魔の声。 「…っの…お前何突っ立ってんだよ……親父は?お袋はどうした…!?」 「…恐らくこれは人体錬成の陣……式部、今すぐここから逃げなさい。」 「は?意味分かんねぇ…親父とお袋はどこだって言っ…………親父…?」 そこには赤く染まった父の姿が。 微かにだが動いている。 まだ 生きている 「このままでは貴方まで人工生命の一部となってしまう。 今すぐ逃げなさい」 「何言ってんだよ…親父まだ生きてんじゃねぇか!! 一緒に行くんだよ……突っ立ってないで動けよ!!!」 「…いいから逃げろと言っている!この状況を見て理解できないのか!」 「っ……!!」 「………すみません…話は後でします。お願いですから今は逃げて下さい…」 突然血相を変えて叫ぶ悪魔。 今までこんな顔を見たことがない。 同時に声色の変化に恐怖を覚えた。 「………っ分かったよ…!!」 言われるがまま、ひたすら走った。 走って走って出口を探した。 →
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