ホワイトノート

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 私は記憶を無くす彼の為に傍にいるわけじゃない。  私は私が彼を失いたくなくて、毎日彼の傍にいる。    毎朝『君は誰?』と首を傾げる彼に、毎日好きになってもらえるように。     『くそ……忘れたくねえよ』  そう言ってベッドの中で私を強く抱き締める彼に今日もホッとしながら、私も強く抱き締め返す。 『大丈夫』 『……』 『何度忘れられても、私は絶対に傍から離れない』 『……』 『だから、』 ――おやすみ。  明日もまた好きになってもらえますようにと、願いを込めながら彼に眠りの言葉をかける。
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