第5章 全人類人質計画

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 そのまま何秒あるいは何分経ったのだろうか?周りで同じように地面に伏せていた人たちが先に騒ぎ始めた。 「おい、何か起きたのか?」 「俺はなんともねえぞ、体……」 「あたしも……」 「あ、UFOが……」  あの円盤は二回目の放射を終えて使命が終わったからなのか、ふらふらとした動きで上空をさまよい海の方角へ風に流されるように飛んで行った。すぐに自衛隊の戦闘機の物らしい爆音が近くに聞こえ、小さな爆発音がした。きっとあの円盤は戦闘機のバルカン砲かミサイルで東京湾に叩き落とされたのだろう。  俺は何が何だか分からないまま、ふらふらと立ち上がり麻耶とラミエルの手を握って立たせた。そしてとりあえず俺のアパートへ向かうべく一番近い地下鉄の駅めざして三人でまた走った。
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