第1章 銀色の侵略者

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 俺としてはむしろ、なんで女子高生が上から下までフルセットの私服を持って夜の街を歩いていたのかという方が問題な気がしたが、どうせ妹にはやりこめられるだけだから、追求するのはやめにした。  ラミエルがどこをどういじったのかは分からないが、銀色の宇宙服を体からはずし始めた。見たところボタンやファスナーの類はどこにも見当たらない。どういう構造になっているんだろう?と思って畳に座って眺めていたら、突然俺の視線を麻耶の体がさえぎった。 「……ちょっと、兄さん。いつまでそこにいる気?」 「へっ?」と俺は間抜けな声を出す。 「へ、じゃないでしょ!これから女の子が着替えするんだけど……き・が・え!」  確かにラミエルは女性に見える。彼女の星の人類が地球人と同じ身体構造なら、確かに男と女の二種類に分類されて……  なんて事を考えているうちに麻耶に片方の耳をつかまれ引きずられて、そのままアパートの廊下に叩き出された。 「覗くなよ!」と念を押して麻耶は俺の部屋に戻る。  ラミエルの着替えが終るまで俺は暗い廊下で蚊の襲撃と戦いながら待たされる羽目になった。だが、俺の妄想に関しては逆効果だった。なんせボロアパートだから、ドアの向こうから麻耶とラミエルのこんな会話が聞こえてきてしまう。
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