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「ああ、なるほど。赤い流星だか、彗星だかのセリフね。それにしてもまた、ずいぶん古いアニメを参考にしたわね」
麻耶が半分呆れたような口調で言う。今日は学校は休みだったらしく、こいつには珍しくジーンズとTシャツというラフな服装だ。ラミエルも色違いのジーンズとドレスシャツ。桂木二尉が上官に報告に言っている間、俺たちはその部屋のパソコンで関係ありそうな情報を集めていた。
「あら、あの二尉、意外と手回しがいいじゃない。もう護衛艦が晴海ふ頭に来てるわ」
麻耶がそう言ったので俺も画面をのぞいてみると、確かに「そよかぜ」という名の海上自衛隊の船が東京港に停泊している。なるほど、護衛艦と書いてあるからには、その輸送船を護衛に行くための船に間違いない。
「あ、それに、ほら、これ!」
麻耶が指差したパソコンのスクリーンにはこうあった。
『第17特科小隊、本省にて待機中』
特科小隊。なるほど、アメリカのグリーンベレーとかイギリスのSASみたいな特殊部隊なのか。特殊な戦闘訓練を受けた、超人的な活躍ができる自衛隊部隊までが既に待機しているとは。統合幕僚監部直属というのはダテじゃなかったらしい。
桂木二尉が部屋に戻ってくるやいなや、麻耶が大声で言った。
「やるじゃない、桂木さん!護衛艦に特殊部隊まで用意してるなんて!」
桂木二尉はなぜか一瞬きょとんとした表情を浮かべたが、すぐに自慢げな高笑いを発した。
「そ、そりゃもう、このおねえさんに任せなさいって!」
「なら、急いで護衛艦に乗り込まなきゃ。それと特科小隊の人たちもすぐにその船に!」
「え?ああ、そうね」
「ほら、兄さんもラミちゃんも、もたもたしてない!行くわよ!」
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