第1章 銀色の侵略者

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「わあ、ラミちゃん、地球人とまるっきり同じね」  おいおい、宇宙人を、それも俺達の故郷の星を侵略しに来た奴を「ラミちゃん」呼ばわりかよ。 「はあ、そうなんですか……あたし、地球人の肉体構造はあまり詳しく教わっていないのですが」 「じゃあ、あたしと比べてみる?ほら、ここも、ここも、あっ、ここもそっくりでしょ。ほら」 「あら、ほんとですね。ということは、わたしたちも地球人も生殖の方法は全く同じということでしょうか?」 「きっとそうね。でもラミエルちゃんってお肌がきれいね。わあ、プニプニしてて、柔らかい!」 「あ、そこは……やん、くすぐったいですぅ……」 「ふふふ……これ、よいではないか……よいではないか」  こら、麻耶。おまえは時代劇の悪代官か?  どうやらラミエルは宇宙人とは言え、地球でいう哺乳類に該当する生物らしい。俺はことさらそんな難しい事を考えていた。そうしてないと聞いていられなかったからだ。女だけだと話す事があけすけになると言うが本当だな、そりゃ。  麻耶が「兄さん、もう入っていいわよ」と言ってドアを開けた時、俺が十五秒間ほど立ち上がる事が出来なかった理由は、世の男性方には理解していただけると思う。
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