第10章 残酷な上司のテーゼ

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 二尉は床にうずくまって泣きべそをかきながらラミエルににじり寄り、その腰にすがりついた。「まあまあ」と俺たちをなだめようとするラミエルを無視して、俺は容赦なく二尉にツッコミを入れた。 「だったら最初からあの必殺技使ってりゃよかったんじゃないですか!俺のあの苦労は一体何だったんです?」 「いやあ、あたしも何か変だとは思ってたんだけどさ……」  今度は麻耶が二尉にツッコミを入れた。 「そう思ってたんなら、上に言っとけばいいでしょ!完成したばかりの新兵器オシャカになったら意味ないじゃないのよ!」 「え~ん。自衛隊って階級は絶対の世界なのよう。上司、上官の言う事には逆らえないのよう……」  第2回地球防衛作戦、今回の損害。  航空自衛隊のF-14戦闘機1機、消滅。新型ロボット兵器の初号機大破、スクラップ場行き。
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