第12章 ブラッド・ピーッ

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「そうでしょ?何か裏がありそうな気がするのよ」  二尉が話を引き取った。 「そこで今回は、こっちから挑戦状を送りつけてやろうと思うのよ」   麻耶が面倒臭そうな声で訊いた。 「送りつけるって、どうやって?」  ラミエルが答える。 「あ、はい。以前に3回、あの方たちからわたしのスパコンにメールが届きましたよね?その記録を解析して、こちらからメールを送れる方法が分かったんです」  なるほど、それであのマクスウェルの魔女たちをおびき出してみようというわけか。確かに相手の狙いがはっきりしない以上、それが一番手っ取り早いとは言える。俺たちは二尉の作戦で行くことにした。  問題は場所だった。彼女たち、特に1号サチエルの超能力はすさまじいパワーだ。かなり広い、かつ周りに重要な建物とかがない開けた場所である必要がある。東京にそんな場所はないだろうから、どこか地方へ行くのか?と思っていたら、桂木二尉があっさり言った。 「それならうってつけの場所があるわよ。東京のど真ん中にね。夢の島公園の、多目的コロセアムなら問題ないわ」  というわけで、決着をつけたいので7月下旬のある日の午後6時30分に、その場所へ来いという内容のメールをラミエルが自分のスパコンから送信した。
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