第12章 ブラッド・ピーッ

16/17
前へ
/285ページ
次へ
 サチエルとユミエルはしばらくじっとお互いの目を見つめ合ったまま、お互いの手を握りしめていた。やがてサチエルが小さくうなずくと、二尉に向き直って言った。 「分かりました。それでこの子の、ユミエルの安全を保障していただけるのなら」 「よっしゃあ!決まりね。じゃあ、こちらへいらっしゃい」  二尉はそう言った二人を俺たちの部屋に連れ出し、隣の部屋との壁を閉じた。二人に長机の端に座るように促し、それからラミエルの方を向いて言った。 「そうそう、忘れてたわ。ラミエルさんの血液型を今後のために登録しておかなきゃいけないんだけど。地球人の分類法だとB型なんだけど、やはり微妙に違うようだから……」  二尉はそう言いながらパソコンの画面を切り換えて、一か所を指差しながら続けた。 「とりあえず、B型H系という名前で登録しておこうと思うんだけど、どうかしら?」
/285ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加