第13章 1B64

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「うるせえな。そりゃ、そういう世界がある事は知ってるけど、目の前で本物のシーンを、いくら宇宙人とは言え、生身の女の子に見せつけられたら、そりゃ」 「あら?」  ユミエルから体を離したサチエルが心の底から不思議そうな表情をして、俺に数歩近寄って尋ねた。 「この地球という惑星では、人を愛するのに性別を気になさるのですか?」  ずいっという効果音がしそうな勢いで、俺とサチエルの間にラミエルが体を割り込ませて来た。ラミエルもゆでダコのような真っ赤な顔でサチエルに向かって怒鳴った。 「わたしたちの星でも、します!普通はします!気にします!」  ラミエルの剣幕にサチエルはたじろいで、思わず一歩後ろに下がった。 「まあ、ラミエルさん、どうなさったんですか?」 「あなたは、どこかの高校の、女子部とやらの、2歳年上の同級生ですか?」 「ラミエルさん、まだお怪我が治ったばかりですのに、そんなに興奮なさったらお体に……」  サチエルにみなまで言わせず、ラミエルはさらに声を張り上げた。 「捨てた故郷とは言え、地球人に誤解されるような事を堂々と言わないで下さいっ!」
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