第14章 大魔神カモ~ン

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 座敷に戻ると、自動的に動いているコンパクト型スパコンの横でラミエルが、垂れパンダのぬいぐるみみたいになってうつぶせに転がっていた。相当疲れたらしい。一応起きているのを確かめて俺はラミエルに訊いた。 「ラミエル、何か分かったか?」 「あ、早太さん、お帰りなさい。あのタワーのデータを解析しようとしたら、137次元波動関数方程式になってしまって……あたしのスパコンでも計算が終わるのは明日の朝までかかりそうなんですう、うう」  な、何の話かさっぱり分からんが、とにかく明日の朝にならないとはっきりした事は分からないという事らしいな。  そこへ麻耶が戻って来た。右手に木刀をぶら下げている。 「なんだ、麻耶、その木刀買って来たのか?」 「ううん、違う、もらったの」 「もらったって、誰に?」 「あっちの原っぱで剣客さんに会ってさ。なんか気が合って剣術を教えてもらってたのよ、30分ばかりの間。で、あたしは筋がいいからってこれくれたの」 「おいおい、この時代はけっこう物騒なんだぞ。剣客なんかと関わりにならない方がいいぞ」 「大丈夫よ、あたしより背が低い痩せっぽちだったし。これでも免許皆伝もらってきたんだから」 「30分で免許皆伝?どんなインチキ剣術だ、そりゃ」
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