第14章 大魔神カモ~ン

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 その女の子は砂浜の上をゆっくり歩いて俺たちに冷たい視線を向けた。長い髪で隠れていたので気づかなかったが、右目を海賊みたいな黒い眼帯で覆っている。 「やはり来たわね、地球人ども。それに裏切り者も一緒とはかえって好都合」  な、なんだ、この偉そうなガキは?だが、俺の後ろでサチエルとユミエルがはっきり分かるほど大きく息を飲む音がした。サチエルが冷静な彼女には珍しく怯えた声で言った。 「あ、あれは……ゴーストハイブ伯爵!」  あの強力な超能力を持つサチエルがここまで怯えるとはどういう相手なんだ?俺は横のユミエルの方にそっと声をかけた。 「あれは何者なんだ」  ユミエルもまた怯えた声で青い顔をしていた。 「わたしたちの惑星の古い貴族の血筋の女伯爵です。その家系は昔から政府の秘密警察だという噂で……別名、大統領の番犬とも……」  その女伯爵のガキは眼帯をちらっとずらして、傍らにいるメイドに命じた。 「セバスチアーナ、さっさとやっておしまい」  するとそのメイドは右腕を胸にあてて一礼し、さも当然という口調で返事をした。 「イエス、マイ、レディ」
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