第14章 大魔神カモ~ン

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 小夜ちゃんは目を閉じ、両掌を合わせて静かに、しかし澄んだ朗々と響く声で歌を歌い始めた。それは何かの子守唄のようでもあり、童歌のようでもあり、歌詞は古めかしい言葉で俺にはどんな意味だかさっぱり分からなかった。  だが、何か神秘的な不思議な力がこもった歌、そんな感じだけは受けた。小夜ちゃんが一節を歌い終わった時、突然俺たちの立っている砂浜がゴゴゴと地鳴りのような轟音を立てて揺れた。そして小さな石のかけらがパラパラと俺たちの頭上に降って来た。  石が当たらないように、小夜ちゃんを抱きよせて俺の体でかばいながら崖を見ると、崖全体が小刻みに揺れているのに気付いた。いよいよ、この岩の巨人が立ち上がって動き出すのか?
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