第1章 銀色の侵略者

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 なんて事を考えながら、それにしては痛くも苦しくもないので目を開けてみると、俺の体は目がくらむような赤い光の中で、文字通り、宙に浮いていた! 「申し訳ない事をした……」  どこからか、そういう声がした。エレキギターの音を歪める機械を通したような声で男か女か分からない。だが確かに日本語だ。 「だ、誰だ?俺はどうなったんだ!」  俺は思わず叫ぶ。 「フ、フフフ……」  正体不明の声の主は笑っている。 「大丈夫、何も心配することはない。君にこれをあげておこう」  俺の胸の辺りにポトッと小さな懐中電灯のような銀色の筒が落ちてくる。そして声の主が続ける。 「何かの時にはそれを使うといい」 「使うとどうなるんだ?」と俺は訊いた。 「えっ???」  それが声の主の反応だった。思ってもみなかった反応が相手から返って来てしまったのでポカンとしている、そんな感じだ。 「だから使うとどうなるんだよ?生き返れるのか?」 「あ、いえ、あなたはべつに死んではいませんが……」 「ちょっと待て!なんかこれと似たようなシチュエーションと会話を以前どこかで見たような気がするんだが……それも、うちの親父の古いビデオのコレクションの中の一つだったような……」 「あ、あのう……」  声の調子が変わった。音声そのものも歪みが消えていて、はっきり女の声だと分かる。それも若い女、俺と同じぐらいの年の女の子じゃないだろうか?
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