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ラミエルは手の平の上の部分のパネルを指で何回かちょんちょんと叩き、そうすると上に向けて開いている面、コンパクトなら鏡がはまっている面に光で出来た文字がサッと走る。見たことのない文字だ。きっと彼女の星の文字なんだろう。
「えっと……この星のサイズで一メートル四方の大きさ……が限度ですね」
ううむ、最大で一メートル四方か。兵器と言ってもその程度の大きさじゃ威力も知れたものじゃないんだろうか。いや、彼女の星の超テクノロジーなら大きさは問題じゃないかもしれない。
ここでまた麻耶が口をはさむ。
「で、その兵器っていつ来るのよ?」
「金が転送された翌日です。あっ、じゃあ今日だ。忘れてました」とこともなげに言う宇宙人。忘れんな!そんな重大な事を。
と、まさにその時、俺の部屋の隅に今日はビーチボールぐらいの大きさで転がっていたラミエルの赤い球体がピロピロリーーンと間抜けな音をたてた。どうやらその兵器とやらが転送されて来たらしい。
麻耶にせかされながらラミエルが球体に手を突っ込んでその物体を引っ張り出す。それは一メートル四方どころじゃなくもっと小さかった。縦横五十センチ、奥行き十五センチ程度の黒い箱だ。表面に使い方のマニュアルらしい妙に光沢のある紙が貼ってある。もちろん彼女の星の文字で俺達には読めない。
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