第3章 女たちの大和

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 まず戦艦としては歴史上、現在においても最大の大きさという事だ。アメリカ海軍の航空母艦なら今ではもっと大きな奴が何隻もあるが、大砲を積んだ形態の「戦艦」という分類上では今でも大和を越える大きさの物はない。同型艦として作られた戦艦武蔵が同じ大きさだったぐらいだ。  そんな馬鹿でかい鉄の塊がよく水に浮いたもんだと思うが、ヤマトの艦首の下の水中にある部分は丸く出っ張った形になっていて、これで浮力を増すと同時にスピードを上げる事が出来たらしい。最大速力は27.46ノット。当時最も速いタイプの駆逐艦という小型軍艦が35ノットぐらいだというから、サイズを考えるとすごいスピードが出せたのだ。  そして何と言っても武装だ。大和の主砲は俗に言う46センチ砲。つまり大砲の直径が46センチということ。これは文句なしに世界一。しかも射程距離約42キロメートル!今で言うなら東京アクアラインの海ほたるの辺りから東京都心のほとんどを砲撃出来る計算になる。  この巨大な砲が前甲板に三本セットで二つ、後甲板に一つ、合計九門。さらに少し小型の副砲が二種類、計十四基、対空用機銃が大小合わせて計六十基。ハリネズミのような武装だ。  なるほど、これほどの巨大戦艦を宇宙人のテクノロジーで蘇らせれば、地球征服の第一段階ぐらいは簡単かもしれない。麻耶もすごい事考えついたもんだ。
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