第3章 女たちの大和

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「こら!兄貴!起きろ!」  という麻耶の怒鳴り声で俺は心地よい眠りから引きずり出された。  大あくびをしながら半身を起こすと、なんと俺のすぐ横にラミエルが寄り添うように寝ていた。同じアパートの部屋の中とは言え、ラミエルは一応女の子らしいので、寝るときは例の赤い球体の中で寝るのだが、今回は彼女も疲れ果てていてその場で眠りに墜ちてしまったらしい。時計を見たらたっぷり十時間は経っている。  つまり俺は十時間以上もの長い間、地球換算年齢十七歳の、それも結構可愛い女の子と体が密着せんばかりの状態でずっといたわけで、そうとは気づきもせずぐっすりと眠り込んでいた、ということか。  しまった!なんというもったいない事を…… 「こら。今何を考えた?」  麻耶に考えを読まれそうになったので、俺は急いで夕べまでの作業状況の報告を始めて話をそらした。そのうちラミエルも目を覚まし、コンパクト型スパコンで大和の状態を確認する。どうやら復元、改造は完了したらしい。  さて麻耶司令官殿の一声。 「よし、出撃よ!」
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