第1章 銀色の侵略者

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 俺達は、まるでお見合いのようにテーブルを挟んでお互いに頭を下げた。 「でも、なんで、俺のアパートの部屋に戻ってるんだ?」 「はい、お怪我はなかったようですが、しばらく意識を失ってらしたので、脳の中の記憶をスキャンさせてもらいました。ご自宅へお連れした方がいいと思いまして」 「で、この星、あ、知ってるとは思うけど、俺達は地球と呼んでる。この星には何しに来たんだ?」  宇宙から来た美少女、ラミエルはにっこりと、それはもう天使のような愛くるしい笑顔で、間髪入れずにこう答えた。 「はい、この星を征服に来ました。地球征服が私の任務です」  ですから、よろしく、と言われて反射的に、ああ、こちらこそと返事してしまった後、俺はその場でどのぐらいの時間固まっていたのだろうか?ラミエルと名乗る宇宙人の美少女はその場にじっと座って微笑み続けていた。宇宙人でさえなければ、そのままずっと見つめられていたいと思うほど可愛い笑顔で。  やがてノックもなしに部屋のドアがバターンと勢い良く開いて、その凍りついた時間を力ずくで再開させた。 「お兄様……おにいちゃん……兄貴……おーい、ハヤタ」  最後は呼び捨てかよ!実の兄貴に向かって、まったく……
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