第4章 麻耶対アメリカ、経済戦争

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「ラミちゃんの地球征服が成功したら、あたしが地球の支配者になるのよ。別に大学なんて入れなくても、地球の支配者の兄なんだからいくらでも出世させてあげるわよ。もちろんあたしが、ね。総理大臣どころか国連事務総長にだってしてあげるわ。」 「い、いや、それはそれとして……」 「だいたいね、今の世の中苦労していい大学出ても一寸先は闇よ。若いうちはさんざんこき使われて、そんで中年になった頃にリストラ。大学出てもそんなサラリーマンになれるのが関の山でしょ?だから大学の事なんか忘れてあたしたちの偉大な計画を手伝っていればいいの。」  そう言うと麻耶は、スキップを踏むような軽い足取りで部屋を出て行った。ラミエルが例のドル札をあのスキャナーみたいな機械に読み取らせているのを眺めながら、俺は今更ながらに自分たちがこれからやろうとしている事の重大さに身震いしていた。  俺たちはあの世界最強の大国、アメリカ合衆国に対して経済戦争を仕掛けようとしているのだ!
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