第4章 麻耶対アメリカ、経済戦争

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「つい、で済むなら……警察も裁判所も要らないわよ!」  咆哮一閃、ついに麻耶はラミエルに向かって飛びかかって行き、両手でラミエルの背中や頭をポカポカ叩き始めた。まあ、子犬や子猫がじゃれ合っているような叩き方だし、これはほっといていいか。 「やーん……すいません……すいません……あたし、こうゆうの慣れてなくて……えーーーん」 「泣きたいのはこっちよーーー。あーん、ラミちゃんの馬鹿……」  というような二人の声を聞き流しながら、俺は今回の出費を計算していた。  ラミエルの今月の軍資金、八万八千円。俺の手元に最初の百ドル札は残っているが、番号があれだから外で使ったら偽札になってしまう。これは後でこっそり燃やしてしまうしかないな。  最初の百ドル札の入手に使った金が九千二百十五円。変装用に購入したスーツやら小道具が合計七万九千円。だから経費総計で八万八千二百十五円。  第三回地球征服作戦、締めて二百十五円の赤字。
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