第5章 全人類人質計画

19/38
前へ
/285ページ
次へ
「地球人類を代表する存在としてあなた方に伝える。この惑星は豊富な水、資源、食料生産能力を持ちながら、それを一部の国家が独占し、生存に最低限必要な食料の平等な分配さえ未だに実現していない」  そこで息をつき麻耶は続けた。 「我々は見た。貴重な食料資源をごみとして平気で捨てる人類がいる一方で、その日の食事さえ満足に与えられない子供たちが多くいる、この惑星の現実を……」  俺はハッとした。こいつ、「table for two」の事を言っているんだ。麻耶は続けた。 「しかもこの惑星は未だに統一政府すら樹立できず、同じ惑星の人類同士が殺し合うという野蛮な行為を続け、しかもその戦争という野蛮な殺りく行為のために貴重な惑星上の資源を浪費することを止めない。我々は同じ宇宙に住む知的生命体として、これ以上この惑星の愚かな人類の蛮行を見過ごす事は出来ない。よって……我々はこの惑星を征服し管理下に置くことに決めた。地球人類代表として国際連合は、今より四十八時間後までに降伏を宣言せよ。もし我々の要求が受け入れらない場合、我々は最終兵器を発動する。その最終兵器が何なのかは、一時間後に分かるだろう。繰り返す。地球人類は四十八時間以内に我々に降伏せよ!」
/285ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加