綺麗な“花”にはトゲがある

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あり得ない。 あり得ない、あり得ない! 何があり得ないって? この学校の敷地面積よ! あたし、藤倉湊(ふじくらみなと)は、ごく普通の一般家庭育ちの女子高生。 巨大学園都市の中心部、此花学園高等部(このはながくえんこうとうぶ)に通ってるどこにでもいるような普通の女の子。 ただし、この学園は普通の学校とは違う。 学園都市の中心にある学校と言われるだけあって施設は充実過ぎる位にあるし、生徒の総数も多い。故に存在する学科もたくさんある。 例えば、資産家の子息や令嬢といったいわゆるセレブな人達が圧倒的に多い────特進科(とくしんか)は、あたしのような“庶民”は誰一人いない。 しかし、あたしの所属は“その”特進科だったりする。 なぜならそれは、あたしが特進科史上初の“奨学生”だから。 あたしにはやらなくちゃいけない大事なことがある。 その為にはこの学園に何がなんでも入学しなくちゃいけなくて。 “巨大学園都市の史上初の奨学生”の肩書きにはたくさんの子達が群がっていたんだろうと思う。なのに募集枠はたったの1名。
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