普通の少女は空から降ってこないはずだ

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「ああ、秋山か。おはよーさん」 ロリ声の正体は、クラス1の美女、秋山香織。クラス1の美女といっても、2人の所属する2年理数科、通称29HRは女子が13人しかいないことに加えて他のクラスとの交流が少ないため、学年の美女には入らない。 「おはよ、今日も暑いね~。」 右手にコンビニの袋を持って、左手をパタパタ扇ぐ香織。 「そうだなー、かき氷とか、くいてー」 「ふふっ、引き返してコンビニ寄ったら?ガリガリ君くらいなら、すぐ食べれるからいいんじゃないかな~」 私、班員に差し入れでガリガリ君買ってきたの。と、香織。 「お、ナイスアイデア!」 「でも、残念でした!」 いきなり残念とか言われて訳がわからない真浩。その理由は、 「山内君のところの班員、全員集まってた気がするな~。班長なのに、行かなくてもいいの?」 うう、と唸る真浩。クスクスっと可愛いらしい笑い声とともに、頬に冷たい何かが押し当てられた。 「はい、プレゼント♪それ食べて頑張ってね~」 よっしゃー、やる気出たーっという真浩の心の声。 お礼を言おうとすると、 「香織ー」 右の方から元気な声が聞こえてきた。 「あ、麗ちゃん!」 ピンクの自転車に乗って横断歩道を渡ってくる宮武麗。
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