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「順位表を見に行ってたんで」
ポリポリと頭を掻きながら、彼女の対面に座る。ここが俺の定位置だ。
「何通着てます?」
主語は『メールは』である。
彼女だけに部活をさせるのも気が引けるので、直ぐにパソコンの用意をして電源をつける。
「これを除けばあと四通だな。後はどれもお前専用だぞ」
「……うへぇ」
声にならない悲鳴が、喉の奥から漏れ出た。
普通だったら四通なんて大した量では無いのだが、俺専用ということは、内容を推測するに、どうにも簡単に終わりそうに無い。
「良かったら手伝うぞ」
「……んー。ありがたいんですけど、でもやっぱり俺にやらせてください」
折角のお言葉なのだが、これは俺がやりたい部活なので、自分から弱音を吐いといてなんだが、お断りさせていただいた。
俺の答えを聞いて、彼女はふふと微笑んだ。
「お前にとっての"真中シン"はやっぱり特別なのだな」
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